ひ to り go と

机の上の白黒液晶ガジェットを作ろう:構想編

MacHard

前回(→ 2015.8.25)、自分にとって最高の卓上音楽プレーヤーが第三世代 iPod だという記事を書いた。なんだ、また思い出話か。iMac G4 や OS X 10.1 の記事(→ 2015.3.24)といい、最近の“ひ to り go と”は過去を振り返りがちではないか?

...そんな声が聞こえてくるかもしれないけど、違う。この記事は伏線だったのだ。これを受けて、今回は新しいことをするよ!

この記事で紹介した iPod は引退して今では Mac で音楽を聴いているのだけど、過去をわざわざ振り返るということは現在の視聴環境に移ってから失ったものがあるということだ。この iPod の良かった部分を Mac に取り戻したい。具体的に書くと、Mac で再生している曲の情報を表示するための小型な白黒液晶ディスプレイが欲しい

え、Mac 上に表示すればいいんじゃないの? しかも長年 Mac 上に曲情報を表示する iTunes コントローラを作っていた人間が、どうしてそんなものを欲しがるのか。

分離したい

Mac で音楽を聴くときの一番の問題点は、集中できないことだ。

作業しながら聞き流すときはいいけど、じっくり鑑賞したいときには頭に入ってくる情報ノイズが多すぎるし、すぐに新しい作業を始めることができるのも問題だ。頭に音楽しかなくても、「この人の新しいアルバム発売されたかな?」なんて思いついた次の瞬間には Safari で検索してしまっている。

その点、ほかの作業ができない iPod で音楽を聴くことには大きな意味があった。集中したければ分離するしかない。専用の外部ディスプレイがあれば Mac のディスプレイをスリープさせることができるし余計なものを見て気が散ることもない。そして作業中にも画面上の貴重な作業スペースを奪われることがなくなるから一石二鳥である。

白黒液晶である理由も、前回の記事(→ 2015.8.6)の iPod 3 における理由と同じ。

カラー液晶によって UI は豪華になったし、アートワークを表示できるどころかビデオを当たり前のように再生できる時代がやってきた。カラー液晶は美しいし見やすい。...ただし条件がある。バックライトが点灯している間に限るのだ。暗くなったカラー液晶は全然見えない。

ちょっと画面を見たくてもデバイスに触れてバックライトを点灯させないといけない。かといって付けっぱなしにすると電池が減る。たとえ机の上で電源供給していても、たまに曲名を見る目的のためだけに常時点灯させるのはもったいないし視界の中に光るものがあると気を取られてしまう。

白黒液晶なら、バックライトを点灯させなくても部屋の明かりだけでしっかり読めるのだ。これはとても大きい。見やすい画面がいつもそこにある。見たいときに見ればいいし、目立ちすぎることもない。そんな利点があるので、カラー液晶に進化した iPod 5 を手に入れたあとも机の上には常に iPod 3 があった。

この iPod の登場から 10 年以上経った今でも、人々は手元の iPad で Kindle App が使えるにもかかわらずわざわざ白黒表示しかできない Kindle を別に購入したりする。まだまだカラー液晶は万能ではない。

iPod のような操作部はなくていい。そこは小さいディスプレイの中でやらなくても Mac で快適にできるので、あくまでも情報表示に徹してくれればいいのだ。

“ちびモ”との出会い

USB で Mac につなぐと曲情報を表示してくれる小型の白黒液晶? そんな需要のなさそうな製品、もちろん売ってない。...ないものは、作るしかないのだ!

作るとはいっても、残念ながら自分には部品を集めて基板を設計して電子工作をするスキルはない。“USB で好きなデータを送ったら表示してくれる白黒液晶”ぐらいのものがあればなんとかなるのだが...

検索してみたけど、個人が白黒液晶を単体で使うという時点で市場なんてほとんどないみたい。それでも近いものを見つけた:

白黒液晶を USB でつないで表示できるようにしてくれる基板キットのようだ。ただし用途は自分の計画しているものとは違い、Windows に外部ディスプレイとして認識させて好きなウインドウを表示するものらしい。

別に外部ディスプレイとして認識されなくてもいいし(むしろ今回の用途に使うには無駄が多い)、そもそも Mac だし...

それでもこのキットに注目したのは、ソフトウェア的な仕組み。

PCからUSBシリアルでマイコンに画像データを送り、 表示器にデータを出力しています。 モノクロなのでそれほどデータ量が大きくなく、 KS0108などでは500kbps程度の転送スピードで動画の再生もできます。

PCの画面を出力するのには、画面のデータを吸い上げて シリアルポートに流す「サービスアプリ」をつくり、 これがカラー→モノクロ変換も行っています。 外付けのセカンドモニタとして認識させるためには、 専用の仮想ドライバを開発しました。 これがPCに仮想的な画面を追加するので、この画面のデータを 先のアプリが吸い上げて、シリアルポートに流します。

根本的な部分は単純なシリアル通信のようだ。実は以前、特殊なプリンタを OS X から動かすためのアプリケーションを書こうとしたことがあって、そのときの経験からシリアル通信のやり方はなんとなくわかる。白黒の画像データなんて各ピクセルに対応した 1 または 0 が並んでいるだけのものだから簡単に作れる。

気になる Mac での認識だけど、解説図に FT232 と書いてあり、OS X 10.9 Mavericks 以降ではこの系統のドライバを標準で搭載しているからつなぐだけで認識されるはず:

...こうなると夢が実現できそうな気がしてきた。

それでも個人的に大きな問題がある。“キット”というだけあってバラバラの細かい電子部品を自分で基板に半田付けしないといけないのだ。半田ごてなんて子供の頃に少し触ったぐらいだよ...

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ハードウェア組み立て編(→ 2015.8.29)に続く。

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