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MacBook Pro Retina (Mid 2012) の SSD 強化:準備編

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3 年前に購入した Retina ディスプレイ初搭載 Mac である MacBook Pro 15" Mid 2012→ 2012.11.3)は今でも大切なメインマシン。ディスプレイ大きくてきれいだし、持ち運びもしやすいし、処理速度も不満なし。...というのは前にも書いた通り。

そういえば発売当初は「ディスプレイ解像度に対して処理性能が不足していて動作がぎこちない。Mac に Retina ディスプレイなんてまだ早かった!」という声を聞いたけど、それは当時の OS X でよく使われていた描画方式が主な原因。効率が悪くて、例えばスクロールビューで 1 ピクセルスクロールするたび新たに露出した部分を Core Graphics が CPU で描画するようなものだったのだけど、OS X のアップグレードが進むにつれ iOS 風に Core Animation(CALayer)を上手く使うように変更されていき改善した。ある程度の量をレイヤーにまとめて描画しておきそれを GPU が何度も再利用するようになったのだ。そして OS X 10.11 El Capitan ではその部分も高速化される。現在使われている OpenGL よりも Mac に特化して無駄の少ない Metal を使うようになるためだ。

トラブルが発生しない限り長く使えそうなこのマシン。円安の今では考えられないあの値段で購入しておいて本当によかった。...けれども一点だけ、内蔵しているフラッシュストレージ(SSD)の容量については 256 GB ではなく 512 GB のものを選択すればよかったという思いだけはずっと引きずってきた。いつも空き容量が 10 GB を下回っていて苦しい。容量ギリギリで使っていると SSD の寿命にも悪影響だし、さすがに交換を考えなければ。

SSD の相場

2015 年の今、SSD はだいぶ値段が下がってきたのでいいタイミングではある。2.5 インチのものだと、容量 500 GB 程度のものがなんと 2 万円ぐらいまで落ちている。初代 MacBook Air の時代を思い出すと信じられない。

独自端子に悩む

(注意:以下はこの機種での話。ディスプレイサイズや発売時期が違うだけで状況は異なります。)

とはいえこれらの SSD をこのマシンに内蔵するのは不可能。昔のユニボディ MacBook Pro では HDD が標準で、SSD といえばそれと互換性のある 2.5 インチサイズ・SATA 接続のものだったので上に挙げたものが入るのだけど、Retina ディスプレイが採用されたこの製品では SSD モデルのみになり、その利点を活かして小型化するため RAM と同じように薄くて小さい一枚の基板のものになったのだ。

この基板型 SSD の交換にはそこまで手間はかからない。筐体の裏蓋を開けてネジを 1 本外せば交換できる。...それでもそのハードルは高かった。これ、SATA 接続ではあるけどサイズも端子も Apple の独自規格なのだ。ほかの PC メーカーが採用している類似規格の mSATA とも異なる。

発売からしばらくは純正部品(修理用?)を販売している店がいくつかあったけど、512 GB のものが 6 万円を超えるような状態で、買えない値段ではないけど SSD の相場を知っていると気が進まなかった。

少し経つと OWC や Transcend が互換性のある交換用 SSD の販売を開始。分解/取り付けに必要な特殊ドライバや本体から外した SSD を USB で使うためのケースが付属したモデルもあり、お得ではある。

とはいえ個人的にはこれらも気が進まない。数年前の純正部品よりましとはいえ SSD 相場より値段が高い気がするし、Air と Pro どころか 13 インチと 15 インチの間ですら流用できずしかも 2 年程度のモデルチェンジで変更されてしまう規格のものを買うのはどうにも抵抗がある。Transcend の USB ケースはかわいいけれども。

当時の Apple が独自規格の SSD を採用した理由はわからなくもない。あの頃は mSATA サイズだと容量 1 TB のものが作れなかったし、彼らはどうせ黒い基板のものを特注するだろう。想定する最大容量やマシン内部の構造に SSD の形状を合わせてしまう方がメリットが大きかったはず。今はさすがに M.2(→ Wikipedia)を採用してほしいけど、iPhone みたいにストレージ容量で上位機種を買わせたい部分もあるから無理か。それどころか新しい MacBook 12" では半田付けされていて交換すらできないらしいし、Mac 全体がこうなっていくのだろうか...

mSATA SSD を変換して使えるよ!

数年前、USB 接続で使うために購入した 256 GB の mSATA SSD があるのだけど、最近それを見て思った。「これだけ小さいなら、変換アダプタがあればこの MacBook Pro に内蔵して使えるのでは?」

"mSATA Retina" で Web 検索してみると海外のページがいくつもヒット。変換アダプタが存在することが判明!

こういうちょっと怪しい海外製品は... ebay にありそうな予感。サイト内で同様に検索すると、出てくる出てくる。中国のいろいろな会社が変換アダプタを作っているようだ。

(注意:最近のモデルではより高速な PCIe 接続のものに変更されていてこの方法は使えません。PCIe 接続対応の M.2 SSD を変換して使う方法も今の所ないみたい。)

初めての ebay

せっかくなのでこのジャンルの品揃えが豊富な ebay で購入してみよう。ebay って海外向けの印象が強くて使ったことがなかったのだけど、デフォルトで日本向けの送料を含んだ値段を表示してくれたり、店や商品によっては "Free international shipping" のものまである! さすが世界中から使われているだけある。

海外サイトで購入するのは不安があるけど、購入者が多くて評価が高くて送料無料で買える店を選んで注文してみた。中国発送なので 2 週間ぐらいはかかるけれども、最近いくつか中華製品を買ってることもあり(→ 2015.3.22)自分の中であの国の業者を使用する心理的なハードルが下がってるのかもしれない。日本の amazon に同じものを見つけたけど値段が倍ぐらいするし、そもそも業者の仕入先がこういうところだったりするから、“直接”取引をした方が得だと判断したのだ。不良品を引いたりしたら面倒になるけど。

使ってみたらあまりに簡単でびっくり。手間といえばほかの海外サイトと同様に住所を英語で入れることぐらいで、クレジットカードは PayPal 経由なので少し安心。ああ、円高の時代にこれを知っていれば...!

変換アダプタ、無事に届く

しっかり予定日に届いた。これで SSD を交換する準備は整ったはず。でも肝心の SSD の入手はもう少し先。

“変換アダプタ編”(→ 2016.1.31)に続く。

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